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前田亜由美

月を見つけた

更新日:2021年12月29日


空をよく見上げています。 昔からではありません。娘と歩くようになってからです。 === 秋の深まってきた先日、いつも通り登園の時間。 いつも幼稚園までは約20分、歩いて登園しています。 その日は珍しく、朝から言い合いになりお互いが不機嫌です。 私も意地をはってしまい、話したくない気分を引きずってしまっています。 冷たい風が吹いてきましたが、手を繋ぎ歩き始めました。 数分無言で歩いていると 「あ!」 娘がやっと声を出しました。 「白いお月!」 真っ白な、半分の月がくっきりと見えました。 「見つけたね、嬉しいなあ!」 私たちは機嫌が悪かったことなどすっかり忘れて、美しい白い半分の形の月に釘付けになりました。 さっきまであっちにいたのにもういなくなっちゃったのかな? あ、もう沈みかけなんだね。夜遅くに出てきて、朝まで空にいたんだね。 早足で歩き身体も温まり、足取りも軽くなります。 機嫌の悪いのもここで終わり。そこから幼稚園まで、 いつも通り歩きました。 === 思い返すと、色々な月を見てきました。 夜中に起きた時にちらっと窓から覗いた大きな満月、夕食の後に散歩しながらみた赤い月、帰り道、よく見ないと見えないような細くて白い三日月。 いつも娘と、空を見上げては、月を探します。 新月と満月があること、毎日形が変わっていくことを知りました。 空を見上げると、自分も地球の一部なんだと感じるとともに、 さっきあった嫌なことも忘れてしまい、また自分らしく頑張ろうと気持ちを立て直します。


いつも変わらぬ美しい月からいつの間にか力をもらっています。



(前田亜由美)

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